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歯周病でも矯正治療はできる?効果とリンガルブラケットでの治療例

歯周病と矯正治療

現在の歯科治療ではう蝕による歯の喪失はかなり減少してきたと思います。しかし、相変わらず歯周病による歯の喪失が多いと感じています。一般的にはスケーリング(歯石除去)、ブラッシング指導という事になり、薬に頼る事のできない治療です。矯正治療が一般化している欧米では歯並びが悪いまま年齢を重ねるという事はありません。ところが日本では特に高齢者では矯正治療を受ける機会はなく、また経験者もほとんどいない、不正咬合のままになっています。スケーリング、ブラッシングを行っても結局歯並びのためにきれいにできない部分ができてしまいます。歯を失っても歯並びが悪いので満足のいく治療は受けられません。そこで50代から老後に備えて矯正治療をおこなう事をお勧めします。歯並びによる磨けない部分すなわち不潔域がなくなります。

実際に矯正治療した患者様の治療前のレントゲン写真

緑色の線が骨縁です。歯の歯根部の低い位置にしか骨がありません。さらに赤い線で囲んだ部分は根尖病巣が大きく保存不可能でした。この歯を抜いて治療する事になります。

 

矯正治療をおこなわない場合は、失った部分を入れ歯、ブリッジ、インプラントにします。しかし、適切なスペースがないために治療が困難になります。

 

アイ矯正歯科クリニックはリンガルブラケットの治療をメインにしています。成人の方を対象に治療をおこなってきました。私たちは30年以上リンガルブラケットを使用しています。最近、歯周病に罹患している患者様も来られるようになりました。

この写真は50代の女性の患者様です。見ていただくと歯茎が腫れています。左の前歯が反対咬合でかみ合わせが深いです。歯周病はかなり進行していました。特に反対にかみ合っている前歯は保存不可能な状態でした。この前歯を失っても隙間が狭くてインプラントは埋入できません。そして入れ歯?ブリッジ?どちらも満足のいく修復は不可能でした。そこで矯正治療をおこない深いかみ合わせを治し、抜いた歯の場所を矯正治療によって閉鎖しました。これなら歯を削ったりする必要はありません。

何よりも歯肉の色もきれいになりました。反対になっていた側切歯を抜歯しました。抜いた場所もなくなり、ブラッシングはやりやすくなりました。この状態ならこれ以上歯を失う事はありません。

 

アイ矯正歯科クリニックには60代、70代の患者様も通われています。“このままの歯並びでは嫌だ”というおもいと、歯周病などで悩んでいる患者様です。裏側から見えない矯正治療はここで力を発揮します。矯正治療には年齢制限はありません。

 

こういった歯周病の患者様には歯周病の専門的な知識の高い歯科医院と協力して治療をおこないます。矯正治療をしたからといって歯が抜けることはありません。かなり悪い歯を抜いてその隙間を閉じる。そして私ども医院はすべての患者様に必ずブラッシング指導と機械的な研磨を来院されるたびにおこなっています。

アイ矯正歯科クリニックのリンガルブラケットで治療した歯周病患者様の治療例

治療例No.222 歯周病 上顎前突 非抜歯

治療例No.191 重篤な歯周病に罹患していました。上顎前突 叢生

治療例No.143 歯周病と矯正治療

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
矯正
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