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親知らずを抜かずに歯列矯正は出来る?抜歯が不要・必要な場合を解説

親知らずは抜歯するの?

患者様からよく”親知らずは抜くのですか?”と質問を受けます。”親知らずを必ず抜かなければいけない”と思っている方は多いです。しかし、そんな事はありません。親知らずは第三大臼歯です。

矯正治療前に親知らずをすべて抜いて虫歯の治療もすべて治して来ました。

虫歯の治療、親知らずの抜歯はすべて矯正歯科医が依頼書を適した歯科医宛に出します。おこなわなくてもよい治療をしてしまったり、必要な親知らずを抜いてしまったりします。

親知らずが抜歯になる場合

 

このレントゲンは一般歯科でもよく撮影されるオルソパントモです。目的は全体を診る事ができます。一般歯科では歯周病の評価に用いられます。矯正歯科ではそれに加えて歯の本数の確認、歯根などの方向性を見るのにも使います。このレントゲン上の黄色いサークルの中に親知らずが横に寝ています。これを拡大してみましょう。

レントゲン写真は硬く、密度の高い部分は白っぽく写ります。手前の白い部分は金属の冠がかぶっています。寝ている親知らずの頭の部分で少し白く見えるのがはエナメル質です。この部分の周囲は黒く輪郭がはっきりしています。エナメル質は骨とはくっついていません。隙間が開いています。そこで黒く写っているのです。そこの部分には赤い矢印が示します。汚れが下の方まで入っていってしまいます。これが炎症を起こすのが智歯周囲炎です。化膿すれば腫れてしまいます。これが親知らずを抜歯する理由です。

いつ抜歯するのがベストなの?

抜歯するタイミングは化膿して痛くなる前がベストです。化膿していると一時的に菌血症が起きる事があります。特に体調が悪い時には大きく腫れたり、開口障害が起きます。将来、矯正治療をお考えなら、この判断は矯正歯科医に任せた方が安全です。

親知らずを抜かない場合

親知らずを抜かない事は、意外に思われるかもしれませんが多くあります。

親知らずは第三大臼歯です。もし正常に萌出してきて歯並びに影響のない場合は積極的に親知らずを残し排列します。矯正治療で排列した例をご覧いただきます。

この患者様は右下の親知らずが横向きに寝たような状態です。このままでは正常に起き上がってくることはありません。矯正治療をおこなわなければ確実に抜く事になります。

この患者様の場合、上顎の第三大臼歯(親知らず)は正常にはえてきていました。このままだと上顎の親知らずは噛み合う下顎の親知らずがありません。もし、下顎の親知らずが抜歯になれば、いずれは上顎の親知らずも抜歯になります。

そこで矯正治療をおこなって親知らずを起こす事にしました。もちろん裏側からリンガルブラケットを使用しました。

親知らずの角度を変えました。このまま自然に萌出してくるのを待ちます。必要のない矯正力は加えません。親知らずは形も色々です。しかし、この患者様の親知らずは大きく形もしっかりしています。これは抜歯しない方が良いです。

親知らずが斜めにはえている。横に寝ているといってもすぐに抜歯せずに周りの歯の状態を見極めて本当に必要がないという時にだけ抜歯するご依頼を口腔外科医に出す事にしています。手前の第二大臼歯の状態が悪い時などは第二大臼歯を抜歯して親知らずを使用するという例はあります。

アイ矯正歯科クリニックは成人の難しい患者様が来られる矯正歯科医院でもあります。矯正歯科医は虫歯、インプラント、入れ歯などの治療はおこないません。しかし、お口の中の全体的な治療を考えるのは、実は矯正歯科医なのです。何らかの理由で大臼歯をすでに抜歯されている患者様は多くいます。機能を回復させるためには、入れ歯、ブリッジ、現在はインプラントという事になります。成人患者様には過去の治療歴が問題になります。

30代の女性の患者様です。上顎は右側の第一小臼歯、左側の第一大臼歯を失っています。幸いな事に第三大臼歯(親知らず)はあります。

下顎も同様です。右側第一大臼歯は失っていて、左側については半分欠けてしまっています。抜歯になる可能性が高いです。両側の第三大臼歯(親知らず)は存在していますが、水平に倒れている状態です。

こういった患者様の場合、アイ矯正歯科クリニックではなるべくインプラントなどの人工的な歯を入れずに、治療できる事を考えます。それが最終的にも患者様の負担を減らす事になります。現在も治療途中ですが見て頂きます。

上顎前突でした。御本人の強い希望により上顎左側第一小臼歯を抜歯して上顎前歯の後方移動を行っています。左側の第二大臼歯のかわりに第三大臼歯(親知らず)がその位置に移動して隙間はなくなりました。

 

下顎の歯列です。右側の第一大臼歯が欠損している場所に第二大臼歯を移動させました。水平に倒れていた両側の第三大臼歯(親知らず)は起こして来ました。これで失っていた大臼歯の欠損部位にインプラントの必要はなくなりました。すべてがご自分の歯でかむことができます。

必要があればインプラントも一つの治療法ではあります。しかし、人の作った物には寿命があります。これを考えるとなるべくご自身の歯を保存しておく事をお勧めします。

第三大臼歯(親知らず)はこういった患者様にとって重要な歯です。失った大臼歯のスペアとして使用できます。

上が治療前、下が現在(治療途中)です。歯のない部分に歯が移動して来たために咬合が回復してきています。

治療例No.196 叢生 噛み合っていない 切端咬合

 

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
矯正
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