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ドクターズブログ

矯正歯科・裏側矯正の費用が高い理由。材料費や技術量をいただいています。

矯正歯科は高額な理由

矯正歯科医になるまでの修業期間が長い

矯正歯科は卒後教育

矯正歯科学は歯科大学生の間は講義を聞いて、成長発育、歯の移動、装置など基本的な知識、さらに模型を使った実習、矯正科見学で終わりです。国家試験に合格する知識留まります。これでは患者様を扱う事ができません。矯正歯科治療を実際に行うには卒業してから1から始める事になります。一般歯科医院の看板一般歯科、口腔外科、矯正歯科あるいは小児歯科と書かれている事が多いです。これを一人の先生でやられているのなら専門的な治療を期待するのは間違いです。

 

矯正歯科医になるには

大学を卒業した後に研修医を1年間経験します。これは一般的な歯科医としての知識を得るもので国が決めたものです。大学病院や指定した開業医で研鑽を積みます。その後、矯正学講座に入局します。矯正学講座は大学の科の中では大変人気の科です。これはう蝕が減少し予防の発達した現在、矯正歯科が魅力的であるのは当然かもしれません。矯正科に入局するために入局試験を受けます。そこで合格する必要があります。その年に入局できずに浪人する事も珍しくはありません。入局した後に新人トレーニング期間があります。まずは診断のための分析、ワイヤー曲げ、装置制作、矯正に関する論文抄読など多岐にわたります。この時期は大変です。インストラクターが鬼に見えます。その後は大学院へ進学するか、普通に医局員となるかに分かれます。大学院へ行く歯科医は大学院でさらに学習し博士号を授与されます。その後大学のインスタラクターとなり後進の教育にあたります。一般的な医局員を選択した者は大学が決めた一定期間の研修が終了すると社会へと巣立って行きます。まだこの段階では認定医は取れないと思います。認定医を習得するには症例数が必要です。大学には多くの医局員が在籍していて、決して研修中の医局員に充分な患者様を配当できるか?というのは難しいです。そこで研修医療機関になっている歯科医院へと研修が引き継がれます。その歯科医の考えにもよりますが、一人前と言えるのは15年ぐらいは必要だと思います。しかも終わりはありません。この期間はアルバイトなどで食いつないでいきます。よく一般歯科医院で“矯正の先生が1か月に1度来ています”というのがそれです。

一般歯科医に比べて独り立ちするのに期間がかかります。これも矯正歯科治療が高額になる理由の一つだと私は思います。

 

さらにリンガルブラケットを扱うにはさらに長い期間とインストラクターに恵まれる必要があります。運もあります。自分の師匠がリンガルブラケットを扱えなければできるようにはなりません。“一流は一流によって育てられる”です。

 

治療期間がかかる 若年者からの矯正治療

私が治療開始時期としてお勧めするのは7歳からです。ざっくと記載させていただくと7歳から20歳ぐらいまでは矯正歯科医院での歯科に関する管理となります。その期間13年。これは長いです。しかし、これを短縮するのは不可能です。それは成長発育に関わる治療だからです。もし100万円かかったとします。年間で約8万円です。1か月にすると7千円です。これで将来お子様はきれいなスマイルが手に入れられます。留学しても大丈夫です。管理も容易になります。一生大丈夫な歯並びを手に入れられます。

 

都会での開業、高いランニングコスト

多くの歯科医院は駅前にあります。ビルの中です。特に矯正歯科医院にはその傾向が強いです。家賃などはもちろん治療費に含まれています。都心での治療を好む患者様もいます。華美で洗練されている。そして通うのにステイタスを感じているなどという事もあるかもしれません。都会で開業している歯科医の腕がよいか?というのは私は疑問に思っています。ただ特徴的な事を打ち出している歯科医院が多いです。院長が都会で開業したかった!!という思いが強い人なのかな?と私は思っています。中にはあまり医療に関係のない事に力を入れている医院があります。接遇もほどほどにしておかないと医療ではなくなってしまいます。プレゼントやキャンペーン、無料プレゼント。これは違うと思います。どちらにしてもすべてが治療費に含まれています。華美な事すべてが治療費に反映されます。本当はすべての事に無料という事はありません。医科の病院でおこなわれていないような過剰なサービスは歯科医としてはどうか?と言わざるをえません。治療の本質ではありません。

 

リンガルブラケットはなぜ高い

矯正治療の中で最も高い技術が必要

矯正治療の中で技術的にもっとも高いのはリンガルブラケットを用いた治療法です。しかもこの治療法は大学病院で修得する事はできません。29ある大学の医局でこれをメインにしている医局は存在していません。教授でこれができる人に私は出会った事がありません。私どもの幸運だったのは私のインスタラクターが個人でこの技術を持っていた事でした。藤田先生の盟友だったからです。そしてその配下に配当になった私は幸運だったという事です。私は歯科医になってからの33年その歴史はすべてリンガルブラケットと共にあります。それでも多くの治療法を勉強するように言われました。Tweedのエッジワイズ法はアリゾナ州ツーソンでおこなれているTweed fundationにも参加しました。この治療法は表側ではもっとも治療技術が高い治療法です。すべての治療法と知識をリンガルブラケットを使用した治療に応用できます。

 

1回の治療時間が長い

アイ矯正歯科クリニックの予約は1時間単位です。もし表側からの一般的な矯正治療なら30分、20分に一人という歯科医院もあるはずです。私どもは毎回上下のワイヤーをはずします。そして歯科衛生士がクリーニングします。歯面清掃、スケーリングなどを行います。予防処置は徹底的におこないます。その後ワイヤーの調整をします。ワイヤーの調整には高い技術と細かなベンディングが必要になります。そして装着して終わりになります。一般的な矯正治療と比較して3倍以上ではないでしょうか?従ってどんなにこの治療に習熟していても1回1時間は必要です。来院間隔は1か月に1度といのは同じです。一日にわずかな数の患者様を扱う事しかできません。これは高額な治療になる理由の一つです。

 

材料が高額

矯正材料の中でもっとも高額な装置になります。フジタのリンガルブラケット第6世代はマルチスロットブラケットです。多機能性と複雑な形をしています。以前は会員でないと手に入れる事はできませんでした。このブラケットは大量に生産されている物ではありません。特別な装置です。従てブラケットの中では高額な部類に入ります。また表側と違い既製品がありません。表側は流通量が多いのでワイヤーを調節する手間をはぶいた製品が多く売りだされています。治療結果のクオリティを気にしなければ既製品で何とかなります。

 

スタッフの数が多い

アイ矯正歯科クリニックは大きな歯科医院ではありません。院長、副院長の2人がリンガルブラケットを扱っています。必然的に担当医制です。他に歯科医が1人、さらに歯科衛生士が常勤で4人、非常勤で2人(過去に常勤だった)。受付が1人。これは扱っている患者様の数に比べて多いと思います。特に難しい治療の時には左右に衛生士がアシストについてくれます。細かな治療になります。術野からなるべく目を離したくないためです。また衛生士は特別に訓練を受けています。矯正治療、特にリンガルブラケットを扱うのは普通ではありません。アイ矯正歯科クリニックに就職するまでは見た事もないです。かなり長い期間研修してもらっています。それぞれのパートで合格しない限りは患者様に触れる事はできません。

 

また完全に休みの月曜、祝日以外は必ずだれかスタッフがいます。それは急患に対応するためです。特殊な治療です。他の歯科医院では対応できません。

 

矯正歯科医の自己評価

自分の治療はどれだけの価値があるか?

2002年に1年間シカゴにあるイリノイ州立大学シカゴ校の矯正科に在籍していました。その時の矯正歯科治療費は2500ドルだったと記憶しています。この値段を日本円に替えると30万円ぐらいでしょうか?この料金は矯正治療費としては低額です。もちろん一般的な表側からの矯正治療に限ります。さらに矯正治療を初めておこなう修士課程の歯科医が担当するからです。だとするとこの値段はどうでしょうか?日本の大学病院も内情は同じです。しかし、日本ではベテランが治療をおこなっても新人がおこなっても同じ費用です。日本では保険制度もそうです。これは欠点だという指摘は以前からありました。リンガルブラケットはシカゴには存在していませんでした。中国の北京大学に口演で招待して頂いた時にはなんと先生によって値段が違っていました。これが資本主義では自然な事かもしれませんが中国です。不思議な感じを受けました。そこで治療費はその歯科医が決めているという事になります。経験、自信がなければ安く、経験豊かで自信があれば高額になるということです。自己評価です。アイ矯正歯科クリニックも同様です。さらに年間の新患の数を抑えるという意味もあります。来る人のすべてを治療するのは不可能です。治療費によって患者様の数を調整しているというのもあります。たくさんの患者様を治療する事はリンガルブラケットの場合は無理です。

 

あまりに安いのはご注意ください。“安いのには理由がある”これは事実です。薄利多売という事です。それなりの治療というのは危険だと思います。最終的には患者様もご自身の判断になります。

 

扱っている症例の難易度が高い

成人の患者様は今までの人生のなかで歯を失ったり、事故にあったり歯並び影響する出来事に遭遇しています。また歯周病に罹患している。う蝕があるなど様々です。これを一つずつ解決していく必要があります。また、お仕事をされている。プレゼンテーションする仕事、人前で話しをする。こういった仕事を継続しながら周囲の人に気づかれずに治療を行う必要があります。お一人お一人に適した治療を提案する必要があります。どなたも同じではありません。

 

成人の患者様が大部分ですが、もちろん小中学生の方もいます。特に吹奏楽、コンタクトスポーツをしている学生さんにはリンガルブラケットがお勧めです。装置が前にないので楽器を吹く事が出来ます。スポーツをしていて相手にぶつかっても唇を傷つけたりしません。

 

成人の患者様はその人生の中で長い期間その不正咬合を保持していました。そこで治療後の新しい環境になっても後戻りします。しっかりとした保定が必要になります。後戻りさせない事を考えなければなりません。

 

大変申し訳ありませんが上記理由で高額な治療になります。ご理解のほど宜しくお願い致します。

 

 

 

 

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
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