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ドクターズブログ

舌側矯正(裏側矯正)の歴史

概要、背景

アメリカのようにすでにご両親や保護者が矯正治療の経験がある国であれば、その子供には適した時期に矯正歯科を受診させます。また歯並びが悪い事による社会的なデメリットをよく理解しています。ほとんどの人が歯の表面にブラケットを接着し治療しているような環境では、舌側矯正(裏側矯正)治療は必要ないかもしれません。しかし、日本では親世代に矯正治療の経験者は少なく、成人になっても不正咬合のままでいるという方は多くいます。生活の中での矯正治療に対する優先順位が低い事もあります。親子で来られる患者様でよく経験するのは “矯正治療の必要がありますか?”というご質問です。そういった方が期待する返事は“必要ありません。大丈夫ですよ”です。しかし、こういった場合は間違いなくお子様は不正咬合です。他にも“この子が治療をしたがらないので”という事もよく言われます。お子様が自分で治療したいと言われるのは稀な事です。結局は成人して自分で費用を負担できるようなるまでは治療の機会に恵まれなかった事になります。こういった患者様が治療を諦めないために、舌側矯正(裏側矯正)があります。

開発

1970年代に歯にブラケットを接着させる技術が開発されました。ダイレクトボンディング(DBS)と言われる方法です。開発されてほどなく歯の舌側(裏側)にブラケットを接着する試みをした一人の天才矯正歯科医がいます。神奈川歯科大学准教授(当時)の藤田欣也先生です。舌側(裏側)矯正の起源はここから始まります。従って約40年間の歴史があります。“装置が見えるのは嫌だ!それなら矯正治療はしたくない”この要望に答える事が原動力になりました。歯の内側にブラケットを装着するので周囲の人に気づかれずに治療が可能になりました。

 

藤田欣也先生には世界的に有名な三篇の論文があります。

最初の論文は“Development of Lingual-Bracket Technique” JDAM Vol. 19 No.46(1978年)

まさにリンガルブラケットテクニックの開発というタイトルです。

1979年 舌側矯正(裏側矯正)のもっとも重要な論文を発表しました。

“New orthodontic treatment with lingual bracket mushroom arch wire appliance”

1979年アメリカ矯正歯科学会誌 Am J Orthod. 1979; 76:667‐75掲載されました。新しい方法は必ずアメリカ矯正歯科学会誌に掲載されなければなりません。アメリカ矯正歯科学会誌(AJO)は全世界の矯正歯科医に影響を与えるジャーナルです。世界でもっとも権威のあるジャーナルです。世界的に藤田先生がこの新しい治療法を紹介しました。

③1982年、治療法が確立した事が報告されました。

Multilingual – bracket and mushroom arch wire technique 

20ページにも及ぶこの長い論文には症例報告まで含まれていました。アメリカ矯正歯科学会誌 Am J Orthod. 1972; 82:146‐66

上記三篇の論文で舌側矯正(裏側矯正)をFujita methodと言います。

これら三篇の論文はすべてが藤田欣也先生の単名での発表です。先生が如何に優れた天才的な矯正歯科医であったか理解できます。私どもを直接指導してくださいました。私は1991年にFujita methodの講習会を受講しています。

 

現在はリンガルブラケットは第6世代の装置になります。これからも進化し続けます。しかしながら現在のリンガルブラケットはかなり完成度が高いです。私は大変満足しています。

 

舌側矯正(裏側矯正)のメリットデメリットや治療の特長はこちら

 

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
矯正
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