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ドクターズブログ

リンガルブラケット、見えない矯正治療の本を出版しました。

Welcome to Fujita Method; The Philosophy and Art of the Lingual Bracket Treatment

リンガルブラケットは安心の“見えない矯正治療”日本で生まれた治療法です。

リンガルブラケットは日本で生まれた治療法です。日本発の治療法は他の分野でも珍しいはずです。1960年代後半から70年代。80年代初頭に藤田欣也先生が確立した矯正の治療法がフジタメソッドです。今でこそ“表側から見えない矯正治療”はネット社会では氾濫していますが、これが始まりです。実際にはこのリンガルブラケットを扱える歯科医は極わずかしかいないと言われています。それはリンガルブラケットに関する論文や正式な出版物はかなり少ない事。多くの矯正歯科医がまず最初に研修する大学病院では主な治療法ではないからです。そこで私たちはこの治療法の歴史、治療方法をなるべく具体的に解説する本を出版する事にしました。

 

表側から見えない矯正治療はアイ矯正が考えたコピーです。

私どもアイ矯正歯科クリニックは1994年に開業しました。当時の横浜にはリンガルブラケットを扱う矯正歯科医院はなかったと思います。関東でも?そして日本中でも、当時はまだインターネットの発達した時代ではありません。検索する事もできません。従って確認する事はできませんが、もっとも歴史のあるリンガルブラケットを扱う歯科医院である事は間違いありません。“表側から見えない矯正治療”というのはアイ矯正歯科クリニックが作ったコピーです。当時は歯科医師会の先生に“表側から見えない”とはどういう事か?と聞かれた事をよく覚えています。今では舌側矯正、裏側矯正などと言われていますが、藤田、鶴田両先生はこの言葉を使用しません。なぜかと言うと一般的に表側にブラケットを着けた矯正治療を唇側矯正、表側矯正とは呼ばないからです。論文にも舌側矯正とは使用していません。しかし、これが一般的に通用していれば私個人としては、これでよいと思います。歯科用語は難しい言葉ばかりです。なるべく患者様に理解して頂けるような平易な言葉にかえていく必要があります。

藤田欣也、鶴田正彦両先生はリンガルブラケットの父と母になります。

私どもの恩師は藤田欣也先生、鶴田正彦先生のお二人です。先日も藤田先生が突然診療所に来られました。新しいブラケットの改良点について意見交換をしました。まさにリンガルブラケットの生みの親です。2015年ソウルで行われた世界舌側矯正歯科学会に招かれた時に“ここにリンガルブラケットの父がいるじょない”と参加者から鶴田先生に声がかけられました。その学会中に先生と話し合い今回出版する本を作る事を決意しました。2015年夏になります。矯正歯科の歴史の中でも偉大な2人の足跡を残すという義務が弟子である私にはあると強く感じていました。私がリンガルブラケットを始めたのは1987年の事です。歯科医になったのが1986年ですから歯科医になってからお二人のご指導のもとでリンガルブラケットを用いた治療をしてきました。今年で32年になります。大変運のよい出会いでした。それ以後の私の人生はすべてリンガルブラケットとともにあります。

本のタイトルはThe philosophy and Art of Lingual Bracket Treatmentです。

本を登録をするのに正式なタイトルを出版会社が聞いてきました。このタイトルに正式に決まりました。大変気に入っています。philosophyと言うのを日本語にするのは難しい単語だと思います。Lingual bracketを用いた矯正治療は一朝一夕にはできません。長期間の訓練と診断能力、経験が必要です。そこでこのタイトルはぴったりだと思います。Artはまさにその通りだと思います。本が実際に出版されるのは2020年の2月頃ではないか?と思います。本の内容について大雑把に記載します

 

本の構成と内容

Preface 序論

この本を出版するに至った経過について記載しています。藤田先生が監修した本は存在しません。そこで鶴田先生と2人で “Welcome to Fujita Method” というタイトルの本を作ろうと決意しました。正式には “The Philosophy and Art of the Lingual Bracket Treatment” というタイトルになります。この方が読者である歯科医にとってなじみがあると私が主張しました。

Chapter 01: The History of the Fujita Method

008 New Adhesive for the Orthodontic Bracket

008 The Innovation of Fujita Lingual Bracket

017 Progress of Lingual Bracket Orthodonic Treatment 

歯にブラケットを直接接着させる接着剤スーパーボンドが発明されましたDirect Bonding Systemの登場です(1971年 Miura Fujio)。接着剤がなくてはリンガルブラケットは成り立ちません。1970代初期にはリンガルブラケットの開発を始めました。藤田先生から提供された初期の装置の写真を掲載する事ができました。これは今まで私自身が見たこともない大変貴重な資料です。現在に至るまで6度の大きな変更を経てリンガルブラケットはもっとも完成度の高い域に達しています。その6種類の装置を掲載させて頂きました。

Chapter 02: Fujita Lingual Bracket Appliance

-Brackets, Wires, Pliers, Adhesive

-Procedure of bonding brackets

-Prcedeure of wire bending and ligaturing

ブラケットの構造、機能、ブラケットの接着の仕方、アーチワイヤーの曲げ方などを詳しく解説しました。アーチワイヤーはキノコ型をしている事からマッシュルームアーチと呼ばれています。

 

Chapter 03: Characteristics of Orthodontic Teeth Movement with the Fujita Lingual Bracket Appliance

治療課程のそれぞれの段階について解説しています。リンガルブラケットを用いた具体的な歯の動かし方を解説しています。

Appendix: Research Paperにはdouble mushroom archwire techniqueに関する論文を掲載しました。

 

Chapter 04: Procedure of Orthodontic treatment with the Fujita Lingual Bracket Appliance Treatment Stages

Treatment stages of the Fujita lingual bracket system

実際の臨床のステップを具体的に解説しています。最後はリテーナー(保定装置)についても説明を加えました。

 

Chapter 05: Case Report

アイ矯正歯科クリニックで実際に治療された不正咬合18症例を掲載しました。全体で234ページあるこの本の大半は症例が占めます。臨床は症例がすべてを物語ります。

 

私たちは毎週水曜日の午後に神奈川県民センターにテーブルを借りて作業をおこなってきました。図書館と違い会話をしても注意されません。私たちにとってはとてもよい空間を無料で提供してくださいました。感謝しています。この時間はアイ矯正歯科クリニックではペーパーワークの時間と言って私(副院長)は午後から大量の資料を持って横浜へ向かいます。まるで海外旅行に出かけるかのようです。今思えばとても楽しく有意義な時間でした。私にとっても知らなかった事が多く存在し、歴史を紐解いていくのは大変興味深かったです。そろそろ本としてどうか?と思った時、この本をどうやって公開しようか?出版できるだろうか?最悪はアイ矯正歯科クリニックのホームページでの公開ってどう?なんて冗談もでました。とても不安でした。

 

この本は最初から英語で書き始めました。日本語で書いたものを英語に翻訳したのではありません。藤田先生はアメリカの特許を2つ、日本の特許を1つ取得されています。新しい方法を考案した時には矯正歯科に関する国際的なジャーナルに掲載する必要があります。掲載されて初めて公に認められます。藤田先生の論文もAJO(アメリカ矯正歯科学会誌)に1979年、1982年に掲載されています。これは大変重要な事です。矯正歯科の世界では最高峰のジャーナルになります。さらに鶴田先生が英語でなければだめだという強い意志を持たれていました。相手にしているのは世界です。やはり英語ですね。という事です。志は高くですが、出版会社が決まるまでは大変不安でした。学術的なものは英語でというのは常識でもあります。“ノーベル賞は日本語で書かれた論文ではもらえない”というのは有名な話です。まずは国内の歯科関係の出版会社にお会いしました。しかし、英語の本は出版できない事、販路を海外に持っていないということで断念しました。私の友人であるソウルの洪倫基先生がリンガルブラケットに関する本を出版していました。それが今回のDentos社からです。彼の本も英語での出版です。資料を送りOKを頂きました。この時は夢でも見ているのか?ぐらいの喜びです。“本が出版される” 出版の費用、販売すべてを出版会社が負担してくれます。

 

上記写真は3回目の校正が終了した時の原稿です。まだ訂正箇所がたくさんありますが、大きな間違いはなくなりました。出版会社がデザインしてくれて徐々に本らしくなってきました。それでも最後まで間違えがないという事はないだろうな?と思っています。結局6度の校正をおこないました。約1年間、本を書きながら校正をし続けました。最後に出版会社から著者のprofileがないので追加してほしいという依頼があり、確かに誰が書いたか?わからない。年明け(2020年)にこの部分を記載して終了しました。

 

2018年11月29日に出版会社と初めて連絡を取りました。それから完全に校正が終わるまで約1年を要した事になります。

After your book is released, it will be also listed and introduced to doctors all over the world via our partners in about 40 countries ( including Korea ).

という返事を頂いていました。これで英語での制作が無駄にはなりませんでした。世界に発信できます。

2020年2月6日に出版会社との契約書にサインしました。この本は150USドルで販売されるそうです。契約書の一文にそう記載されていました。今まで知りませんでした。私たちにとってそれはどうでもよい事でした。もとより営利目的ではありません。日本での販売は今の所はありません。英語で書かれた本は日本では売れないのと出版会社が販路を持っていないのではないか?と思います。もしかすると日本人が英語で書いた歯科関係の本はなかったのかもしれません。著者分として100冊頂けます。私は50冊ほど頂いて、母、親友、歯科医、今までの人生でもっともお世話になった先生方、友人、後輩などに謹呈する予定です。リストを作って見ました。すぐに40冊分は決まりました。歯科関係ではない友人も含めました。私のおこなってきた事を理解し認めてほしいという気持ちからです。少しは残しておかなければいけません。

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