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ドクターズブログ

矯正歯科は職人 矯正職人です

矯正歯科医は職人です。

私は矯正歯科医は職人だと思っています。私個人も宮大工や職人になりたいと子供の頃に思っていました。職人だと言うと嫌がる歯科医がいます。医学、医療の一分科なんだから職人ではない!という私には同意できない変なプライドだと思います。矯正歯科医は歯学部卒業生の中ではエリートが集まってきます。実際に矯正科だけが入局試験を実施している大学があるぐらいです。しかし、実際の治療行為はワイヤーを曲げたり調節したりする事で、薬の投与などはありません。まったく医科らしい行為はありません。薬の処方などはしたことがありません。

 

確かにまず最初に精密検査をします。そして計測し、患者様が何を治したいか?それは可能か?どんな症状をしているか?何が原因か?どんな治療法が適しているか?を考えてまとめあげていきます。そして具体的な治療計画を立案し。患者様に説明して許可を頂いて治療が始まります。しかし、それからの行為はまさに職人です。

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実際の治療行為はまさに職人です。

ブラケットを歯に装着します。リンガルブラケットの場合は特別なゲージはありません。目と感覚と経験です。歯に直接ブラケットを装着する事をダイレクトボンディング法と呼びます。表側からの一般的なブラケットにはポジショニングゲージと言ってブラケットを接着する高さや角度などを決める特別なゲージがあります。

これが代表的なブーンゲージと呼ばれている装置です。これを歯の先端につけて小さな針で高さを計測します。そしてブラケットを接着していきます。

これは表側の一般的なブラケットでは可能です。しかし、リンガルブラケットの場合はこれができません。器具がお口の中に入りません。ではどうやっておこなうか?これが職人技になります。基準は歯の形態や厚みなど全体を考慮して決めます。初めの数年は弟子入りしたようなものでした。私の師である鶴田先生の治療見学からスタートしました。昔の人は手取り足取りなんて教えてはくれません。少しづつその技術を見ながら認められ任せてくれるようになるのをじっと待ちます。これもまさに職人と同じです。もちろん論文を読んだり抄読したり、学会発表、論文書きなどは並行しておこなっていました。この部分は学問です。しかし、日常の臨床は職人です。親方と見習いそのものです。

ダイレクトボンディングシステム

アイ矯正歯科クリニックでは接着にはスーパーボンド(サンメディカル社製)を使用しています。これは1971年に世界でもっとも最初に歯に接着できる製品の現在版です。筆ずみで材料を盛り足す事ができます。実はアメリカの接着材はペーストタイプの物が主流です。日本の筆ずみとアメリカのペースト。これはバターと習字の違い?文化の違いではと言われています。

全体の高さ、歯の形を把握してブラケットを1つずつ接着していきます。特別な道具で計測したりしません。なるべく早い速度で左右に歯科衛生士が2人つく事もあります。集中して全体を把握して一気に接着していきます。もちろん不正咬合があるのですべての歯に理想的な位置に接着できるという事はありません。後に接着位置の変更は必ずと言ってよいほどおこないます。早くおこなわないと口を開けている時間を短くしてあげないと患者様は大変です。また接着時間も早い方が強く接着できます。何千症例も接着してきました。手前味噌になりますが、これはまさに職人技です。一気に接着すると私は酸欠になる事があります。それぐらい集中して装着します。

マッシュルームアーチ、メインアーチのベンディング

次はワイヤーを曲げていきます。1本ずつ歯に合わせて曲げていきます。既成のワイヤーが市販されているのは表側のブラケットだけです。リンガルブラケットではすべて歯の状態に合わせて曲げていきます。

典型的なマッシュルームアーチです。

 

外側の大きなのが上顎用です。内側が下顎用です。前歯から小臼歯にくる所には必ず大きな曲げが必要になります。これは歯の厚みが違うからです。表側のブラケットはとてもシンプルですが、リンガルブラケットの場合は必ず複雑な曲げが必要になります。マッシュルームアーチは藤田先生が名付けたアーチワイヤーの事です。小臼歯の所で大きく曲げが入るのでキノコ型という事でマッシュルームアーチと呼びます。ワイヤーの材質、太さなどは表側とは違います。

お口の中をじっくり拝見させて頂いて、頭の中に三次元的なイメージを描き、その状態を把握してワイヤーを曲げていきます。思い通りにワイヤーを曲げる事のできない矯正歯科医はリンガルブラケットを用いて治療すべきではありません。結局は矯正治療はこのワイヤー曲げに集約されます。“ワイヤーを如何に曲げずにできないか?”と考えている矯正歯科医もいます。私は“矯正やめた方がよいですよ”と心の中でつぶやいてしまいます。ワイヤー曲げは避けられません。丁寧に治療するには患者様お一人ずつにこの行為を繰り返します。

結紮線によって1歯づつのメインアーチを結んでいきます。

歯1本ずつに結んでいきます。

結ぶ力加減、結ぶ方向、結び方などは症状によって違いがあります。フジタのリンガルブラケットは多機能ブラケットです。色々な結び方ができます。それぞれの歯によって、その時の目的によって変えます。アイ矯正歯科クリニックではゴムリングでとめるような事はしません。歯科医にとってはゴムリングでメインアーチをとめるのはとてもらくです。しかし、患者様にとっての利益はありません。ゴムはとめた時はしっかりととまります。しかし、唾液などの水分を吸って弱く成ります。1か月経つと汚くなり、不潔です。把持している力も弱くなります。要するに変化します。ワイヤーで結紮していくと安定しています。変化しません。また汚れません。さらによい事は歯の動きを邪魔しません。自転車がブレーキをかける時と同じ原理です。ブレーキをかけるとゴムがタイヤを挟み込んでとまります。矯正治療もメインアーチにゴムをかけると自転車のブレーキと同じ状態になります。歯がメインアーチに沿って動く事を障害します。ゴムでとめるのは歯科医はらくですが患者様には利益はありません。私は師匠から“ゴムは使うな、歯の動きも悪くなるし、汚い”と言われて育ってきました。これからも使用しません。治療の最後に手袋をした指で表面をなぜます。飛び出していないか?チェックして終わりになります。

 

これを毎日、どの患者様にも繰り返していきます。多くの患者様を扱う事はできません。私は1時間に1人の予約でお願いしています。私はこの仕事が大好きです。これは職人になりたかった私には天職です。

 

マウスピース矯正はアイ矯正ではおこなわない

マウスピース矯正大流行しています。歯型をとって業者から送られてきたマウスピースを患者様にお口の中に入れる。これだけで治療が完結すれば私もおこないます。しかし、そんな単純にいくのでしょうか?私は無理だと確信しています。かぶせるだけで治る??私はそんな事は信じていません。もし、治るならリンガルブラケットでやめます。マウスピース矯正の原理は少しずつゴールの歯並びに近づけていく、少し個々の歯をずらしたマウスピースを制作しそれを入れていくという物です。矯正力はそのマウスピースの素材から生み出されます。私は抜歯して治療するような症例にはむいていないと考えます。歯の移動量が大きくなるからです。ブラケットを用いたワイヤーで矯正治療はワイヤーの材質、太さなど選択できます。さらに押したり、引いたりできます。ゴムを使用したり、スプリングを入れたりできます。矯正力は色々な方向に自由に作用させられます。マウスピースではできないです。さらにマウスピースはその場で歯科医は調整できません。そしてマウスピースを作っている人は誰だか?わからないし、患者様に直接会った事も話した事もありません。これはアイ矯正の目指す“丁寧な矯正治療”とは違います。そしてもっと恐ろしいのはこれが矯正治療を専門としない一般の歯科医の間でも流行している事です。一般歯科医は矯正治療のトレーニングを受けていません。もし見えない事をご希望なら迷わずにリンガルブラケットを選択してください。

福井 只美
 

このブログの執筆者
福井 只美医師(日本矯正歯科学会指導医・認定医)

リンガルブラケットについては長年の経験があり、
自身で開発したダブルワイヤーテクニックを用いた治療を得意としております。                
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