teeth settlingとは
ブラケットを外した時には噛み合っていない状態でも保定期間中に徐々に歯がわずかに移動して噛んできます。これをセトリングと言います。あまり一般には知られてはいません。また矯正歯科医もこの言葉を知らない事もあります。
失った歯の部位を埋めようとする補償行為が歯にはあります。
もし上顎の歯を何らかの理由で抜歯したとします。その状態でそのまま歯は動かないという事はありません。周りの歯がその場所に移動してきます。噛む相手を失った下顎の歯は上に伸びあがってきます。これは抜かれた場所を補償する行為だと言われています。矯正治療で歯はダイナミックに移動します。そしてその移動した位置を保つためにリテーナーを使用します。リテーナーの使用中に歯は咬合して来ます（噛んできます）これは自然な事です。年単位での変化がゆっくりと起きてきてブラケットを外した時よりも自然に噛むようになります。もし噛まないようでしたら咬合調整をしますが、ほとんど必要のない行為です。これは慎重にならないと削った部分はを元にもどす事はできません。
矯正治療で噛み合わせが治りますか？
よく矯正治療で噛み合わせは治りますか？と聞かれます。例えば一般歯科で歯に詰め物をします。その時に歯科医が赤い紙（咬合紙）を患者様に噛んでもらいます。“カチカチ噛んでください”とか“ギリギリと横にずらしてください”です。その後に“高いですね？”と言って詰めた物を削ります。それはほんの数μmの単位で削ります。実はその数μmの調整は矯正治療ではできません。数μm精確に歯を移動する事はワイヤーの弾力性を動力にして歯を移動させている矯正治療には不可能です。この数μmの移動は歯がもともと持っている機能によって自然におこなわれます。これがセトリングです。後戻りとも違います。虫歯の修復物は削って調節しますが、自分の歯は削る必要はありません。自然になじんできます。ほとんどの方はこれでうまくいきます。
2つのタイプの違うリテーナーの併用
アイ矯正歯科では必ず2種類の保定装置を制作します。clear retainer（クリアリテーナー）とresin-made wrap-around retainr（ラップアラウドリテーナー、ベッグタイプ）を作ります。
clear retainer（クリアリテーナー）
このタイプのリテーナーはマウスピース型です。しかし、これで歯を動かすわけではなく留めておくために使用しています。このリテーナーの利点は透明化できる事です。ほとんど気づかれる事はありません。しかし、欠点がsettling（セトリング）が起きずらいと言われています。それは噛む所までシートが覆っているためです。しかし、私の経験では不思議な事に徐々にセトリングが起きてきます。
wrap-around retainr（ラップアラウドリテーナー、ベッグタイプ）
このリテーナーはもっとも一般的なリテーナーです。このリテーナーはワイヤーが見えてしまうので、アイ矯正では家にいる時に使用するように指導します。利点は耐久性とsettling（セトリング）が起きる事です。装置を装着していても上下の歯は咬合する事ができます。
保定期間中にsettling（セトリング）起きて徐々にとてもよい位置で噛めるようになります。ブラケットを除去したあと数年できれいに噛んできます。
