Case No.45
乱杭歯
女性 30代 横浜市鶴見区
治療例No.49 八重歯 不良補綴物(状態の悪い差し歯)
来院時の写真
気になっている点(主訴): 八重歯 乱杭歯
成人の方に多く見られる症状です。
矯正治療をしないでデコボコのまま前歯に差し歯が入っています。
八重歯になっている歯の手前の歯です。患者さんにとっては右側のまんなかから2本目です。
緑色の矢印で示しました。少し白くて周囲の歯とは色と大きさに調和が取れていません。
レントゲン写真で確認すると神経(歯髄:しずい)も除去されています。赤い四角で囲みました。
成人の患者さんはすでに色々な歯科治療の跡があります。
でこぼこで八重歯、並べる場所を作るために抜歯が必要になります。
抜歯に選ばれる歯は
(1)もっとも価値のない歯。
(2)抜くことによってもっとも効果が高い歯
という事にまとめることができます。
アイ矯正ではなるべく抜かない事を念頭に診断を組み立てますが
治療結果、治療後の安定などを考慮して抜歯するかしないを決定します。
抜歯が必要で患者さんにとってもメリットが多いときに充分に説明させていただいて
抜歯の診断をいたします。
ただし患者さんを獲得するために診断をかえるような事は
医療としてはまちがいなので決してしません。
この患者さんの場合はこの色の合わない差し歯である前歯を抜いて治療する事にしました。
治療中の写真
どうでしょうか?
前歯を抜いてその部分に八重歯だった犬歯を移動させました。
正中も上下でぴったり合っています。
おそらく気づく方はいないと思います。
差し歯もなくなり前歯はすべてご自分の歯です。
これで差し歯の治療をすることもなくなりました。
難しい決断ですが、診断するという事はこういった事です。
あと少し治療したら装置がはずれます。
治療中に前歯がなくなると大変です。でもご安心ください。
わからないように治療をおこなう技術が私たちにはあります。
だれにもわからずに治療を終えました。
いつものように表側には装置を一度も装着しませんでした。
アンカースクリュウなどは使用していません。
掲載に心よく同意してくださってありがとうございました。
きっと前歯の差し歯と不正咬合で悩んでいる患者さんの参考になるはずです。
あきらめないですください。知恵をしぼれば必ずよい結果があります。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
乱杭歯 叢生
上下前歯に叢生があります。上顎左側側切歯の差し歯が色がまったくあっていません。この歯を抜歯してリンガルブラケットで矯正治療しました。
抜歯部位 : 上顎右側側切歯 左側第一小臼歯
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
考えられるリスクはありません。左側は前歯を抜歯したあと仮の歯をすぐに装着してない事を隠しました。中切歯の横に犬歯が来ましたが気づく人はいないと思います。
治療期間 : 29か月
費用 : 費用 : 135万円~155万円(税込)
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より