Case No.115
出っ歯乱杭歯治療例
女性 30代 神奈川県藤沢市
治療例No.120 お顔のまんなかに合っていない。正中線の不一致
来院時の写真
気になっている点(主訴): 正中線の不一致 出っ歯
上顎正中線の左側にずれている事を主訴に、リンガルブラケットを用いた治療を希望されてアイ矯正歯科クリニックに来院されました。患者様にとって上顎の正中がお顔のまんなかと一致しない事はとても気にされます。これだけを治されたいと来院される患者様も多くいます。
この患者様はもともと上顎左側の側切歯がありません。他の歯はそろっています。
こういった場合は必然的に上顎の前歯のまんなか(正中)がお顔のまんなか(人中)と一致しません。歯がない方へ移動してしまいます。意外に思われるかもしれませんが、矯正歯科医にとっては難しいものなんです。
治療中の写真
治療が進み装置を外す日も近い状態です。歯のまんなかがお顔の正中に合いました。
お顔をお見せすることができませんが、お口の中の写真から想像できるかと思います。
ここで患者様と相談です。上顎左側側切歯がないので左側は犬歯が2番目の位置に来てしまいます。これを気になさると犬歯の形態を側切歯に似せてかぶせなければなりません。患者様の選んだ選択は "かぶせたくない。歯は削りたくない" と言ったことでした。すでに何歯かの歯には金属のかぶせ物をされています。かぶせた物は人工物ですので一生もつと言う事はありません。私も歯の健康を考えれば妥当だと思いましたが、かぶせ物をしてさらにきれいにする方ももちろんいます。皆さんはどう思いますか?
でこぼこや口元を突出感が改善しきれいな横顔になりました。成人の方の矯正治療の難しさはすでに失っている歯があったり、修復された歯があったりと、矯正治療以前の問題が色々とあることです。それでもその条件のもとでベストを尽くすと言うのが私どもの仕事だと認識しています。
治療は大成功でした。患者様も満足してくださいました。
掲載に協力して頂いてありがございました。
参考になる方も多くいると思います。
アイ矯正歯科クリニックでは表側に装置を付けることはありません。アンカースクリュウなどは使用していません。
先日、福岡で日本矯正歯科学会大会がありました。アンカースクリュウを多く見ましたが、本当に必要なのかどうか?考えさせられる症例もありました。医療に流行と言うことがあってはなりません。患者様にとって要らぬ心配と苦痛を与える可能性があるからです。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
上顎左側側切歯欠損による正中線の不一致症例
上顎左側側切歯が先天的に欠如しています。そのために正中が左にずれてしまっています。
抜歯部位 : 上顎左側第一小臼歯 下顎両側第一小臼歯
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
先天欠如しているために中切歯の隣に犬歯が来ることに、治療前に確認が必要です。患者様によっては形態修正が必要になります。
治療期間 : 32か月
費用 : 費用 : 135万円~155万円(税込)
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より
上顎の前歯の正中線とお顔の正中、人中とは一致させる必要があります。前歯が斜めになっているのは気になるものです。アイ矯正歯科クリニックではすべての矯正治療をリンガルブラケットでおこないました。周囲の方には気づかれなかったと思います。