Case No.163
受け口治療例
女性 30代 静岡県富士宮市
治療例No.172 骨格性下顎前突
来院時の写真
気になっている点(主訴): 受け口
骨格性下顎前突症で静岡市から来られた患者様です。アイ矯正歯科クリニックにたどり着くまで3軒の矯正歯科専門歯科医院に相談に行かれたそうです。3軒ともに外科手術が必要だという事でした。外科矯正です。
しかし、私たちアイ矯正歯科クリニックの診断では手術する必要はありませんでした。この症例が外科ケースだとすると反対咬合は外科しなければ治らない事になります。最近になってこういった症例が増えています。外科矯正はやはり全身麻酔での手術、入院を伴います。患者様の治療目的をしっかり把握する必要があります。もちろんアイ矯正歯科クリニックでも年間にすると数例の外科矯正患者様はいます。それだけの効果があれば私どももお勧めします。
この患者様の場合は、私の診断では下顎第一小臼歯2歯のみの抜歯で十分な改善が予想できました。
治療中の写真
どうですか?問題はないと思います。ご本人も大変喜んでくれました。矯正歯科医の立場から言うと下顎の第一小臼歯だけを抜歯して治療したというのは稀なケースです。
それでも外科症例ではありません。矯正単独での治療で充分でした。反対咬合が治ったら結婚式を挙げる事になっていました。装置を装着したままで結婚式をおこなう事もできました。
アイ矯正歯科クリニックでは表側には一切装置を装着していません。
アンカーインプラント、スクリュウなども使用していません。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
骨格性下顎前突
上顎骨の前方位置よりも下顎骨の位置が前方位にありました。骨格性の下顎前突でした。でこぼこなどはありませんでしたが、臼歯部から完全な反対咬合でした。そこで上顎は抜歯せずに下顎の第一小臼歯だけを抜歯しました。最終的には下顎には親知らず(第三大臼歯)が萌出したので、抜いた第一小臼歯と親知らずが入れ替わったような状態になりました。上下の歯の本数は同じになりました。
抜歯部位 : 下顎両側第一小臼歯
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
骨格性反対咬合です。噛み合わせは変わる時に前歯の咬合性外傷に注意します。
治療期間 : 34か月
費用 : 費用 : 135万円~155万円(税込)
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
患者様の声
アイ矯正歯科クリニックのみなさま
約5年前、私は両親とアイ矯正歯科クリニックへ行きました。反対咬合のために地元の歯科を何件か受診していたのですが、その度に手術ですね、自然には治りませんと言われ、手術は怖かったので決心がつかず、諦めの心境でした。小さい頃、母が矯正歯科へ通わせてくれたのですが、私が矯正装置を嫌がったのでそのままになってしまっていました。自分が気にしなければ大丈夫、そう思って過ごしていたように思います。しかし、心の中では、少しでも下の顎が引っ込まないかなあ、話をしていると口元や横顔ばかり見られているようで、自分に自信がなくなり、人の前で普通に話したり、笑ったりすることは私にとって自然にはできないことになっていました。
そんな中、結婚が決まり、やっぱり反対咬合を治したい。でも、手術だろうなというおもいと、もしかしたら、治してもらえるかもしれないという思いで受診しました。診察して頂き、治療をしてもらえることになりました。その時の院長先生の“本人でなければ治したい気持ちはわからないという言葉”と只美先生の“手術しなくても治ります”という言葉は、今でも鮮明に覚えています。これからもずっと忘れません。それほど嬉しかったです。初診の時から丁寧に真剣に診てくださり、本当にありがとうございました。
治療が始まり、話にくさやたまにできる口内炎は痛かったですが、気付くと慣れ、矯正装置が歯の一部になっていると思える程、自然でいられました。
今まで通院できたのは先生やスタッフの方々の明るくてあたたかい雰囲気、毎回毎回、丁寧に治療して頂いたおかげです。ありがとうございました。
両親も喜んでくれています。診察台からみえる木や緑にも安心させてもらっていました。これからは保定期間ですが、きれいにしていただいた歯を大切にしていきます。今までお世話になり本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
担当医より
静岡市からの来院でした。遠方から来られるからは地元の歯科医院で治療を断られた患者様がほとんどです。とくに下顎前突症の患者様が多く、この患者様のように手術はしたくないという事が多いです。この患者様ですが、私の診断では初めから外科手術の適応ではありませんでした。“え、外科ですか?”と返事をしたような記憶があります。横顔のバランスではわずかに下顎が前方という程度で、これなら御本人が希望しない限りは外科矯正はない。というのが私の診断でした。
それでも容易な症例ではありません。そこで下顎の第一小臼歯を2本抜歯してそのスペースを使って下顎前歯を内側に移動する事にしました。
患者様からは、“反対咬合が治ったら、結婚式を挙げます。その時はいつごろ治るか教えてください”と言われていました。私が人生の最高の時を決めてよいのだろうか?プレッシャーでした。上下リンガルブラケットでの治療でした。治療中にご結婚、出産も終えられました。途中、治療をお休みしていた時期もありましたので、治療期間は長くなりました。治療はうまくいきました。
以前大阪から通われた患者様も下顎前突でした。長野から通われていた方も同じ下顎前突でした。やはり手術だと言われた。アイ矯正歯科クリニックでは手術ではありません。大阪の方は10軒目でとうとうここまで来たと言ってました。検査費用も矯正費用も即日お支払いになったのはこの方だけでした。