Case No.249
上下顎前突乱杭歯治療例
女性 20代 横浜市神奈川区
治療例 No. 258 口もとの突出感 叢生
来院時の写真
気になっている点(主訴): 口もとの突出感 乱杭歯 前歯が大きい事
口もとの突出を治療するには抜歯が必ず必要になります。最近になって部分矯正で口もとが内側に入らなかった、非抜歯治療で口もとが入らなかった、逆に出っ歯になったというご質問を頂く事があります。これは矯正歯科の専門家にとっては当然の事です。口もとを内側に移動するには前歯の後方に場所が必要になります。
この患者様の場合は大変難しかったのは上顎第二大臼歯(前から7番目の大臼歯)緑のサークルで囲っているこの歯の状態が大変悪いです。保存不可能な状態でした。となるとこの歯は抜歯候補の一番になります。しかし、この歯を抜いても目的としている前歯から遠い位置にあります。さらに第二小臼歯も標準よりも小さな歯でしたがこの歯は抜かない事にしました。治療後に形態修正します。そこで第二大臼歯を抜歯して左側には親知らず(第三大臼歯)があるのでこれを使用する事にしました。
下顎は第二小臼歯(前から5番目)緑のサークルの歯を抜歯する事にしました。
こういった症例をunusually caseと呼びます。通常の小臼歯の抜歯ではなく大臼歯の抜歯になったという事です。もっとも状態の悪い歯を抜歯する事になります。従って上顎は左右第二大臼歯、下顎は左右第二小臼歯を抜歯し、リンガルブラケットで治療しました。リンガルブラケットは歯の内側に作用点があるために歯を後方に移動するには一般的な表側からの治療よりも優れています。
治療中の写真
ある程度排列してきた所のお写真です。上顎左側は親不知がはえてきました。しかし、右側はもともと親知らずはありません。心配した事は起きずに上下の前歯は内側に移動した事がわかると思います。保定中に上顎第二小臼歯は一般歯科で修復して頂く予定です。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
上下顎前突 叢生
上下の前歯が前方に傾斜していました。上下の顎骨の前後的な位置関係には問題はありませんでした。
抜歯部位 : 上顎両側第二大臼歯、下顎両側第二小臼歯
治療に使用した装置 : 36か月
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
上顎は最後方にある第二大臼歯の抜歯を選択せざるを得ませんでした。第二大臼歯を2歯抜歯してさらに小臼歯を抜歯するという選択肢は選べません。そこで上顎前歯が後方に移動できるか?というのが最大の課題でした。結果は成功しました。また左側第三大臼歯も萌出してくれました。第二大臼歯と第三大臼歯が入れ替わった事になります。 リンガルブラケットの強みは前歯の裏側にブラケットを接着するために前歯は後方への傾斜が起きやすいです。それを利用すると前歯は後方に移動し、さらに口元は内側に入ります。
費用 : 費用 : 135万円~155万円(税込)
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より