Case No.72
上下顎前突乱杭歯治療例
女性 30代 横浜市鶴見区
治療例No.76 大臼歯が内側に倒れこんでいます。
来院時の写真
![](https://ai-kyosei.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/02/1617A.jpg)
気になっている点(主訴): 乱杭歯 八重歯
今回はとても難しい症例を提示させていただきます。
いくつかの大きな問題があります。
まずは上顎についてですが
八重歯だったのを放置してしまったために
八重歯になっている歯の歯茎がやせて歯が長く見えるようになっています。
これは歯根が露出してしまったのです。
八重歯はもとは犬歯で非常に長い歯です。
八重歯で外側に飛び出したままになっていると
上にかぶさっている歯肉は飛び出しているだけに薄く
長い期間の間に削れるようになくなり歯根が露出してしまいます。
その露出した面がむし歯になり変色しています。
ひどくなると八重歯を支えきれなくなって結局抜くことになります。
そうなった場合、八重歯のあった場所には隙間ができてしまいます。
そして下のあごですが
全体に乱杭、叢生があります。
しかも大きな問題は大臼歯が内側に倒れこんでいることです。
装置を外す直前のお写真をお見せします。
治療中の写真
![](https://ai-kyosei.or.jp/wp/wp-content/uploads/2015/02/1617B.jpg)
どうですか?デジカメの機種を替えたのでさらに鮮明になっています。
もちろん同じ患者さんです。
下がってしまった歯肉をもとの位置に戻すことは現在の医学ではできません。
再生医療の発展を待つ以外ありません。
むし歯で変色していた部分は治療してきれいになりました。
下のあごのデコボコも倒れこんでいた大臼歯もきれいに起きあげることができました。
こうなればもう安心です。
大変困難な難しい治療でした。
犬歯や大臼歯は大事な歯です。見た感じもきれいですね。
大変喜んでいただきました。
掲載にご協力ありがとうございました。
よくこんな質問を受けます。
" ほっといてもいいんでしょうか? "
この症例はもう少し早く治療に来られていれば
八重歯の歯肉が上にあがり歯根が露出することはありませんでした。
早いにこしたことはありませんが
どなたも良いタイミングで矯正治療を受けることができるわけではありません。
今の現状を悪くしない事、そしてよりよい状態を作ることが
成人の矯正治療には重要です。
今回も表側には装置を装着することはありませんでした。
アンカースクリュウなどは使用していません。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
歯肉退縮を伴った乱杭歯
ブラッシングが強く力をかけすぎていたのではないかと思います。全体に歯肉退縮が起きています。その部分にはくさび状欠損、さらに着色がありました。八重歯になっていた犬歯を抜歯するかは悩む所でした。結果、小臼歯を抜歯してリンガルブラケットで矯正治療しました。
抜歯部位 : 上下顎両側第一小臼歯
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
ブラッシング指導しました。矯正治療と並行してくさび状欠損の治療も行いました。ブラッシングに力が入り過ぎていました。
治療期間 : 30か月
費用 : 費用 : 135万円~155万円(税込)
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より