Case No.367
出っ歯乱杭歯治療例
女性 20代 横浜市鶴見区
治療例 No. 375 出っ歯 シザースバイト(はさみ状咬合)
来院時の写真

気になっている点(主訴): 出っ歯 乱杭歯 はさみ状咬合
鋏状(はさみじょう)咬合の患者様は大変多いです。患者様ご自身は気がついていない場合があります。しかし歯科医としては無視して治療はできません。鋏(はさみ)はすれ違って紙を切ります。これは第二大臼歯に見られます。上顎第二大臼歯が外側、下顎第二大臼歯が内側にすれ違ってできます。これは上顎の歯は外側からはえて来る、下顎の歯は内側かはえてきます。さらに上顎には骨の終わりがあります。そこに第二大臼歯と第三大臼歯(親知らず)があります。とても混みあっている状態です。そこで上顎第二大臼歯が内側に来ることができなくなります。私の感じでは女性のかなり割合の患者様に見られます。
この患者様も両側典型的なはさみ状咬合です。まずはリンガルブラケットではなくて他の装置でこのはさみ状咬合を治療した後に出っ歯の治療に移行しました。
治療中の写真

治療途中のお写真と治療前後の横顔の写真をご覧いただきます。出っ歯が治り口もとが入りました。また大臼歯にあったはさみ状咬合も治りました。
横顔の改善はとても重要な矯正治療の治療目標になります。これが改善できなければ治療は失敗ですね。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
はさみ状咬合と伴った上顎前突
上顎の第三大臼歯(親知らず)を抜歯してまずははさみ状咬合を治療しました。そして上顎第一小臼歯を抜歯してリンガルブラケットで治療をおこないました。アンカースクリュウなどは使用していません。
抜歯部位 : 上顎左右第一小臼歯
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
リスクはありません。治療後のレントゲン写真を患者様と確認して頂きました。
治療期間 : 24か月
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より
はさみ状咬合は大変多いです。まずはこの治療から入るために治療期間が長くなる傾向にあります。
日本人の上顎前突というのは上顎骨は前突していません。大部分は下顎骨の劣成長と後退です。これが今言われる“口ゴボ”です。ひどい言葉ですね。こういった患者様には前歯をしっかりと内側に移動させる必要があります。そうする事によって下顎骨の輪郭がはっきりしてきます。横顔が良くならないのは矯正治療ではありません。
アイ矯正はすでに新しい患者様の募集を終了しています。しかし、今後も見えない矯正治療、リンガルブラケットについての症例報告はおこなっていきます。治療はあきらめずによい歯科医に出会う事を祈っています。
最近、大学勤務時代の患者様から突然お電話がありました。将来インプラントになるかもしれないのでよい歯科医院を紹介してほしいとの事でした。“今はとても怖い時代なので”という話でした。懐かしく話をさせて頂きました。本当に怖い時代です。今は新しい虫歯を作る患者様が激減しています。テレビでは“しみる”知覚過敏、ホワイトニングの宣伝ばかりです。歯科医の仕事も過去に治療した歯のやり直しばかりです。おそらく将来インプラントも消失するはずです。歯を失う人が激減するからです。再編成しないとだめな時がきます。