Case No.357
出っ歯上下顎前突乱杭歯治療例
女性 20代 川崎市幸区
治療例 No. 365 口ゴボ 八重歯
来院時の写真

気になっている点(主訴): 八重歯 口ゴボ(ゴボ口)
この患者様は実は難しい症例です。一見するとそれほど悪い不正咬合には見えません。下顎前歯が1歯先天欠如しています。そのために下顎は排列しています。乱杭歯にはなりませんでした。下顎前歯が1歯ないのはよく見られる事ではあります。“3本切歯”と呼ばれます。そのために下顎の正中線と上顎は一致しません。また主訴にあるように口もとが出ているゴボ口は他の歯を抜歯して中に入れてこないと治りません。それで難しい症例としました。
治療中の写真

上顎は第一小臼歯を2本、下顎も右側第一小臼歯を1本抜歯して正中線を右に移動させました。上下の正中線は一致しました。八重歯も解決しました。
横顔に注目してください。最初の状態が左です。口ゴボの患者様の特徴は下の顎から唇の先に向かって一直線だという事です。口もとが出ているので上下口唇を結ぶとオトガイの部分が厚くなり、一直線になってしまいます。治療後の右のレントゲンを見ると下口唇部が薄くなりオトガイ部に凹凸ができ始めています。この軟組織の変化はこれからも起きてきます。口ゴボを治療するには上下前歯が内側に移動させる必要があります。
横顔の変化は治療には重要なファクターです。
院長 福井の診断ノート
診断名 :
下顎前歯の先天欠如を伴う八重歯(低位唇側傾斜) 上下顎前突
軽度な八重歯と口もとの突出感を気にされていました。また上下前歯の正中線の不一致も同様に気にされていました。
抜歯部位 : 上顎両側第一小臼歯、下顎右側第一小臼歯、下顎左側側切歯は先天欠如
治療に使用した装置 : リンガルブラケット
この治療に関して考えられるリスク(副作用)
リスクはありません。
治療期間 : 20か月
※費用については分割払いが可能です。詳しくはこちら
担当医より
口ゴボという言葉はそのままの状態を表していてとても厳しい言葉だと思います。私が歯科医になった約30年前にはありませんでした。しかし、今はこの言葉を患者様からよく聞くようになりました。上顎前突、いわゆる出っ歯との違いは下顎の後退だと思います。従って上下前歯を内側にしっかりと移動しない限りこれは解決できません。